「ChatGPTのAPIの料金について正しく理解したい」
「ChatGPTのAPI」とは、OpneAIがシステム開発者向けに提供しているインターフェースであり、同社が提供しているChatGPTを外部システムから利用するための仕組みと言えます。
ChatGPTのAPIは、OpenAIによって利用が開始されて以降、世界中の様々なシステム開発者によって利用されており、それによって数々の新サービスが登場しています。
本記事では、そんなChatGPTのAPIの料金や使い方、支払い方法などについてご紹介します。
ChatGPTのAPI機能とは?
まず初めに、ChatGPTのAPI機能について改めてご説明します。
ChatGPTのAPI機能とは、OpenAIが開発した人工知能モデル「ChatGPT」の機能を外部のアプリケーションやサービスで利用できるようにする機能です。「API」とはApplication Programming Interface(アプリケーションプログラミングインターフェース)の略称で、異なるソフトウェア間で情報をやり取りするための仕組みを指します。
具体的な例としては、チャットボットの構築、文章の自動生成、教育目的の学習支援などが挙げられ、APIが生まれたことで多岐にわたる用途に対してChatGPTの能力を活かすことが可能となりました。
このような背景から、開発者や研究者、教育者などが、彼らのプロジェクト/新サービスの構築にChatGPTの強力な自然言語処理能力を組み込むことが出来るようになりました。(具体的な活用事例については後述しています)
また、ChatGPTのAPI機能を利用できるのはChatGPT Plusのユーザー限定であり、無料版を利用しているユーザーはAPI機能を利用することは出来ません。
ChatGPT Plusに関する詳細な説明は、以下の記事でも解説しています。
ChatGPTのAPI機能の料金について
そんなChatGPTのAPI機能は、誰もが無料かつ無制限に利用出来るというわけではなく、利用する量やデータによってユーザーに対して相応の料金が請求される仕組みとなっています。
本項目では、ChatGPTのAPI機能を利用する際の料金について、4つの視点からご紹介します。
従量課金制について
まず一つ目に理解しておくべきポイントは「従量課金制」です。
従量課金制とは、「使った量に応じて支払う料金が決定する制度」です。
ChatGPTのAPIでも、この従量課金制が採用されており、ユーザーがAPIを土台としたサービス内でどれだけChatGPTを利用したのかによって課金額が決定します。実際には、ChatGPTのAPIの料金は主に「トークン数」に応じて決まる仕組みとなっており、このトークン数は使用言語の文字数に比例します。
従量課金制が採用されているChatGPTのAPIにかかる料金の具体的な計算方法は以下の通りです。
・「入力トークン(入力文字数)」×「出力トークン(入力文字数)」×「使用モデルの単価」
APIにかかる料金を正確に理解するためには、使用するモデルの単価を知っておくと良いでしょう。
無料トライアルクレジットについて
二つ目は「無料トライアルクレジットについて」です。
ChatGPTのAPIは、新規登録時に無料トライアルクレジットを提供しています。これは、ChatGPTのAPI機能を試すためのもので、特定の規定に基づいて利用できます。
ChatGPTのAPIを利用したことが無い方に向けて提供されている無料トライアルクレジットを試すことにより、ChatGPTのAPIのパフォーマンスや可能性を評価することが出来、無料トライアル期間が終了した後は、基本的な従量課金制に移行します。
無料トライアルクレジットでChatGPTのAPI機能を是非一度体験してみてください。
メッセージパラメータについて
三つ目は「メッセージパラメータ」についてです。
ChatGPTのAPIには、メッセージパラメータという機能が搭載されており、ChatGPTとユーザー間の過去のやり取りをメッセージパラメータに保存しておくことで、それらの内容をベースにした会話が行えるようになっています。
しかし、このメッセージパラメータに保存されたやり取りは、APIによって課金される料金に影響するため、メッセージの追加のしすぎには注意する必要があります。
無論、過去のやり取りを保存しない状態での会話は、意味合いやコミュニケーションが崩壊してしまうため、過去3回程度の会話内容を保存できるような実装で利用することをオススメします。
言語別トークン数について
四つ目は「言語別トークン数」についてです。
先ほど、APIの料金がトークン数(=文字数)によって変化するという内容をお伝えしましたが、トークン数は世界中の言語で一律ではありません。本項目では各言語におけるトークン数の比較は割愛しますが、英語と日本語のトークン数比較のみ、下記に記載しておきます。
【英語】英単語一つ=1トークン
【日本語】ひらがな1文字=1トークン以上、漢字1文字=2〜3トークン
実際に同じ意味を示す文章で比較してみるとわかりますが、日本語での文章の方が、英語よりも若干トークン数を消費してしまうと言えるでしょう。
ChatGPTのAPIの使い方
次に、ChatGPTのAPIの使い方についてご紹介します。
前述したように、ChatGPTのAPI機能はChatGPT Plusのユーザーのみが利用出来るサービスであり、無料版ユーザーは使うことが出来ません。
ChatGPTのAPIは以下のステップで利用できます。
- OpenAIの公式サイトにアクセス
- 「Get Started」をクリック
- 「API」を選択
- 「Upgrade」を選択し、「API Keys」をクリック
- 「Create new secret key」をクリック
- 発行したAPIキーを使用
では、詳しく見ていきましょう。
1, OpenAIへアクセスします
2, 画面右上の「Get Started」をクリック
3, アカウント作成/ログインし、一番右の「API」を選択
4, 画面右上の「Upgrade」をクリックし、画面左下に表示される「API Keys」をクリック。
5, 「Create new secret key」をクリックし、作成。
6, 発行したAPIキーを利用して、Python のプラグラミングコードに組み込む。
ChatGPTのAPI機能を利用する際の支払い方法
次に、ChatGPTのAPI機能を利用する際の支払い方法についてご紹介します。
ChatGPTのAPI機能への支払いは、ChatGPT Plus同様にクレジットカードによって行われます。
具合的には、APIを利用する際に、OpenAIの公式サイトから利用登録を行うことで、使用した月の月末に、従量課金制に基づいた金額が請求される仕組みとなっています。
また、ChatGPTのAPI機能の料金については、ユーザーが知らぬ間に多額の費用を費やしてしまわないよう、あらかじめ設定画面で上限金額を設定することが可能です。APIキーを発行する画面左側のメニューバー内の「Billing」から「Usage Limit」という項目を選択することで、設定することが出来ます。
消費金額の超過が心配な方は、上限設定も怠らないようにしましょう。
ChatGPT API利用時のトークンの確認方法について
ChatGPTのAPIの使用状況の確認方法についても簡潔にご紹介します。
結論、使用状況についても金額の上限設定のページと同様の画面から確認することが出来ます。
以下は、初回のトライアルクレジットと同時に、ChatGPTのAPIの使用状況が一目で確認出来る画面であり、左のメニュー欄の「Usage」をクリックすることで閲覧することが出来ます。
もしもトークンの使用状況について不安を感じる方は、上記の管理画面を適度な頻度で確認しながら、APIを利用することをオススメします。
ChatGPT APIの活用事例3選
最後に、ChatGPTのAPI機能の活用事例についてご紹介します。
前述したように、ChatGPTのAPI機能は、同サービスのチャット機能を搭載した様々な新しいツールやプログラムの開発に役立てられています。
また、今後ChatGPT自体の性能や活用範囲も広がっていくことを考えると、API機能を活用したさらに複雑かつ便利なサービスが生まれることも容易に想像できます。
本項目では、ChatGPTのAPI機能の活用事例について、三つに厳選してご紹介します。
Stripe
ChatGPTのAPI機能を活用している事例の一つ目は「決済サービスStripeへの導入」です。
Stripeは、ビジネス領域における決済や支払いの円滑化をサポートするサービスを提供しており、同社はChatGPTのAPIをカスタマーサービスへ組み込むことで顧客とのやり取りを強化しています。
Stripeが持つサービスや特徴を踏まえた上で顧客対応を行うウェブサイト上のChatGPTは、ユーザーの質問を理解し、的確な回答を提供する点において非常に役に立っています。
このような、ある程度領域や分野が限定された中での文章ベースのやり取りにおいては、ChatGPTなどの実装を行うことで大幅に効率化を図ることが出来ると言えるでしょう。
法人GPT

二つ目は「法人GAI」です。
法人GAIとは、株式会社Giveryが提供している法人に特化したChatGPTサービスです。
今まで、個人での利用でしかChatGPTが使用出来なかった状況を受け、「業務効率化の具体的な方法がわからない」「適切なプロンプトの作成方法がわからない」などの問題が多くの企業で相次ぎました。そのような状況を踏まえた上でリリースされたのが、この法人GAI(旧称:法人GPT)です。
株式会社Giveryは、ChatGPTのAPI機能を利用して法人向けの新たなChatGPTサービスを構築したことで、以下のような価値を生み出しました。
- 各企業専用の機能搭載
- 法人に特化したプロンプトの提供
- 法人内でのアカウントの統一
このように、ChatGPTが持つ既存の価値をアップグレードした上で、顧客に提供するような企業も、今後増えてくるでしょう。
Duolingo

三つ目は「Duolingo」です。
Duolingoとは、運営会社がアメリカに位置する、無料で外国語を学習することが出来るサービスです。
大規模言語モデルが搭載されているChatGPTは、このような言語や文章などをベースとするサービスやツールとの相性がよく、DuolingoにもAPIを利用してChatGPTが導入されています。
同サービスに導入されているChatGPTは、単に学習者のAIチャットパートナーとしてサポートするだけでなく、ユーザーの利用傾向や文法マニュアルが学習データとして蓄積されていることで、ユーザーにとってより効率的なトレーニングを実現しています。
このように、言語や言葉、文章等を土台としたプラットフォームやサービスには、ChatGPTのAPI機能は非常に相性が良いと言えるでしょう。
【まとめ】ChatGPTのAPIには、無限の可能性がある
いかがでしたでしょうか?
本記事では、ChatGPTのAPIについて、料金や支払い方法、具体的な活用事例等についてご紹介しました。
ChatGPTは、リリースされてから9ヶ月程度が経過した現在でも頻繁にアップデートが行われており、今後もさらに進化していくことが予想されています。
2023年春頃にAPI機能がChatGPTに追加されてから、既にChatGPTを搭載した多くのサービスが生まれていることを考えると、AIは今後より著しいスピードで私たちの生活に溶け込むと言えるでしょう。
是非、本記事の内容を参考にして、API機能を利用したサービスを開発してみてください。